今回は生協のしくみを紹介します。
生協は、組合員が参加して共同で運営される組織です。
この記事では生協のしくみや組織について解説しつつ、生協を利用するメリットデメリットについても探っていきます。
生協のしくみを理解することで、より良い選択や充実した生活を送るヒントを得ることができますよ。
- 生協を利用した際のメリットデメリット
- 生協のしくみや組織について
- 生協が提供するサービス
- 生協と普通のスーパーとの違い
- 生協への加入方法や手続き・特典
生協って何?利用するメリットとデメリットとは?
生協ってどんな組織?
生協(生活協同組合)とは、人々が協力して生活必需品やサービスを提供し合うために結成される組織です。
地域の人々が自主的に参加し、お金儲けではなく、お互いに助け合いながら地域への貢献を目指しています。
組合員の利益を大切にしている
中間業者をカットし、品質の高い商品を手ごろな価格で提供をしています。
組合員の声にも耳を傾け、より良い商品やサービスを提供するための努力も欠かしません。
社会的役割にも力を入れている
地元の農産物や地域産業のサポートや、地域でのイベント開催、環境保護活動にも積極的に取り組んでいます。
生協を利用するメリットは?
品質や安全性にこだわった商品が購入できる
生協を利用するもっとも大きなメリットの一つは、高品質で安全な商品を手に入れることができる点です。
理由は以下の4つです。
- 厳しい基準に基づいた商品選び
- 地産地消の推進
- 有機野菜や産直食材などの提供
- 商品情報の公開とトレーサビリティ
厳しい基準に基づいた商品選び
自主的な検査を行って、安全で品質の良い商品を提供しています。
地産地消の推進
地域の生産者と協力して、地元で作られた農産物や加工品を優先的に取り扱っています。
有機野菜や産直食材などの提供
有機栽培の野菜や、生産者の顔が見える商品を提供しています。
商品情報の公開とトレーサビリティ
商品の原料や生産者情報を明確に表示し、消費者が商品の由来や作り方を確認できるようにしています。
商品の品質や安全性について信頼できる情報を手に入れることができます。
出資金に配当が付く
生協に加入する(組合員になる)ためには、最初に出資金を支払う必要があります。
そして、生協への出資金には配当利息が付きます。
生協によって利率は異なりますが、平均的な利率は0.1~0.5%程度であり、銀行の普通預金の利率を上回る場合もあります。
このため、出資金を生協に預けておくことで、より高い利息を得ることができます。
いろんなサービスの提供
組合員になると、宅配サービスや保険、福祉サービスなどを利用することができます。
宅配サービス
生協では、自宅まで商品を配達してくれる便利な宅配サービスを提供しています。
子育て中の家庭や高齢者が利用する際は、宅配手数料が無料または割引されるサービスをしている生協も多いです。
保険サービス
生協では、組合員に対してさまざまな保険商品を提供しています。
医療保険や生命保険、自動車保険などがあり、組合員なら簡単に保険に加入できます。
生協を通じて手続きを済ませることができるので、安心して生活できます。
福祉サービス
生協では、福祉サービスも提供しています。
高齢者向けの介護サービスや施設、子育て支援プログラムなどがあります。
組合員やその家族が必要な場合、生協のサービスを利用できます。
生協を利用するデメリットは?
商品価格が高め
生協の商品は一般的なスーパーマーケットと比べて、「ちょっと高いかも?」と感じる人もいるようです。
生協の商品が一般的なスーパーと比較してやや高価である理由はおもに以下の3つです。
- 品質や安全性へのこだわり
- 地元の生産者や地域経済への支援
- 組合員主体の運営と経営方針
品質や安全性へのこだわり
生協は商品の品質や安全性に重点を置いています。
そのため、厳しい基準をクリアした商品を提供するためのコストがかかります。
その結果、一般のスーパーよりも価格が高くなることがあります。
地元の生産者や地域経済への支援
生協は地元の生産者や地域経済の活性化をサポートしています。
地元の農家や小規模事業者からの商品を優先的に取り扱い、適正な価格で取引することが目指されています。
しかし、これにより商品のコストが上がることがあります。
組合員主体の運営と経営方針
生協は組合員によって運営されています。
組合員の声や意見を反映させ、社会的な価値や経営方針を重視することがあります。
そのため、価格設定や利益の使い道について、他のスーパーとは異なる考え方をすることがあり、それが価格に反映されることがあります。
出資金が必要
生協法により、生協への加入に際しては出資金の拠出が原則的に義務付けられています。
出資金を拠出せずに組合員とならない場合、自身が望む生協を利用することはできません。
出資金の額は生協によって異なりますが、一般的には500円から1,000円程度が一般的です。
ただし、退会時には出資金が全額返金されるため、大きなデメリットとは言えません。
加入する生協によって組合員特典の内容が異なる場合がある
生協は地域ごとに運営しています。
それぞれの地域が、組合員に対して特典やサービスを提供しているため、全国一律にはなりません。
生協のしくみと組織
生協の組織はどうなっているの?
生協(協同組合)は、消費者が主役の組織で、消費者が出資金を出して「組合員」となります。
組合員は組織の運営に参加しながら、安心して生活用品やサービスを利用できる仕組みです。
生協は、私たち消費者がお金を出し合って組織を支え、みんなで商品やサービスを利用し、運営に参加することで成り立っています。
大学生活協同組合や消費生活協同組合など、さまざまな種類の生協が存在しています。
生協が商品を入手する方法やしくみ
仕入れは直接取引
生協は、商品を仕入れる際に生産者や卸売業者と直接取引を行うことが多いです。
これにより、中間業者を介さずに商品を調達できるため、コスト削減や品質管理の向上が期待できます。
自社商品の開発
生協と生産者が協力したり、組合員の要望や地域の特性に合わせて独自の商品を開発することも多くあります。
生協が提供するサービスとは?
宅配サービス
食材宅配
生鮮食品や加工食品、ミールキットや冷凍食品、日用品まで幅広い商品を取り扱っています。
食材に関しては、生産者との直接取引や自主検査体制を整えるなど、品質や安全性にこだわっているため、利用者は安心して品質の高い商品を選ぶことができます。
お弁当・夕食宅配
健康や栄養バランスに配慮したお弁当やお食事を、利用者の玄関先まで届けてもらえます。
利用者は手間をかけずに、栄養満点で美味しい食事を楽しむことができます。
保険(共済)
生協が提供している保険サービスはコープ共済とよばれています。
コープ共済は、火災や死亡、自動車事故、損害、病気などのトラブルが起きたときに、経済的な損失をカバーして生活の安定を図る保険商品です。
組合員が一緒に掛け金を出し合い、共同の財産を用意することで、より良い内容で掛金を抑えた保障を実現します。
家計に負担にならない手ごろな掛金で、充実した保障を提供することを目指しています。
高齢者向けサービス
食事の介助や入浴、排泄のお手伝いなどの介護サービスから、居住空間の清掃や洗濯などの生活支援、健康管理や健康相談まで、幅広い支援があります。
介護サービスは、施設の介護スタッフが24時間体制で提供されており、医療機関とも連携して健康管理や緊急時の対応など、必要なケアを行っています。
生協の高齢者向けサービスは、高齢者の方々が快適に過ごせるように支援することを目的としています。
日常生活でのさまざまな困りごとや不安を解消し、健康な生活を維持するためのサービスです。
学生向けサービス
生協では学生に向けたサービスも充実しています。
主なサービスは以下のとおりです。
- 大学生協オリジナルマンションの提供
- 家賃債務保証サービス
- 大学生協保険サービスの提供
- 日建学院の講座を利用できる特別学費 など
生協と普通のスーパーとの違いは?
生協と一般のスーパーマーケットの違いについて簡単にまとめました。
生協 | 普通のスーパー | |
出資者 | 組合員 | 株主 |
追求する利益 | 組合員の利益・地域の発展 | 企業の利益 |
運営元 | 組合員 | 株主・経営陣 |
宅配サービス | 充実(全国で50団体以上) | 各スーパーによって異なる |
消費者の意思を反映する制度 | 有 | 無 |
事業内容 | 商品販売の他に、医療福祉事業や共済事業など多岐にわたる | 商品販売のみのところが多い |
商品価格 | やや高め | 安い~普通 |
生協に加入する方法や手続き・特典など
生協への加入方法・手続き
加入方法
生協へ加入する方法は主に以下の3つです。
- インターネット(公式サイトからWEB申込み)
- 電話(担当者が自宅へ訪問して手続き)
- 店舗(近くの店舗で申し込み)
加入手続き
生協への加入手続きをザっと説明するとこんな感じです。
宅配サービス利用なし
- 加入申し込み依頼
- 出資金の支払
これで完了!
宅配サービス利用あり
- 加入申し込み依頼
- 出資金の支払・引き落とし口座の登録
- 商品の配達曜日・時間帯の確認
これで完了!
加入特典(組合員特典)
商品割引
生協の組合員証を提示すると、提携店舗でのお買い物が割引価格で利用できる場合があります。
組合員特典として、一定の割引率が適用されたり、特定の対象商品が割引価格で購入できることがあります。
割引率や対象商品は地域や提携店舗によって異なります。
それぞれの生協や提携店舗が設定した条件やサービス内容に基づいて特典が提供されるため、注意してくださいね。
特典プレゼント
組合員になった際には、商品サンプルやクーポンなどの特典がもらえることがあります。
ポイントサービス
一部の生協では、組合員カードやアプリを使用してお買い物をするとポイントが貯まり、そのポイントを使用して割引券と交換することができる場合があります。
組合員が利用することでお得にお買い物ができる仕組みです。
栃木県在住の私の場合は、店舗では200円=1ポイント、宅配では300円=1ポイントとしてポイントがつきます。
提携施設の割引入場料金
生協の組合員証やカードを提携施設に提示すると、入場料金が割引になることがあります。
提携施設の入場料の割引はそれぞれの生協や提携店舗によって異なります。
クーポン利用
生協の会員登録や組合員証の提示により、クーポンを利用して割引価格でお買い物ができることがあります。
まとめ
生協は、消費者が主役の組織で、私たちの生活をサポートするために品質や安全性にこだわった商品やさまざまなサービスを提供しています。
組合員の声を大切にする制度や、組合員自身が組織を運営する参加型の仕組みが特徴です。
組合員は自分たちのニーズや意見を組織に伝えることができ、それが商品やサービスの改善に繋がります。
また、地域の発展や組合員の生活をサポートするために、地元の生産者との取引や福祉サービスの提供など、さまざまな活動を行っています。
生協は私たちが主役となって参加し、品質や安全性にこだわりながら、私たちの生活をサポートする組織です。
組合員の声や意見が大切で、一緒に組織を運営することで、地域の発展や組合員の満足度を高める役割を果たしています。